ベアリングとは?種類・役割・シール形状を分かりやすく解説

工場設備や産業機械、自動車、家電製品など、私たちの身の回りには回転する機械が数多く存在します。その回転を支えている重要な部品が「ベアリング(軸受)」です。

ベアリングは機械の性能や寿命に大きく影響する部品ですが、「名前は知っているけれど詳しい仕組みは分からない」という方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ベアリングの役割や種類、シール形状、代表メーカー、故障原因まで初心者にも分かりやすく解説します。


ベアリングとは?

ベアリングとは、回転する軸を支えながら摩擦を減らし、滑らかな回転を実現する機械部品です。

日本語では「軸受(じくうけ)」と呼ばれています。

モーターやポンプ、コンプレッサー、コンベヤなど、多くの機械設備で使用されており、機械を正常に動作させるために欠かせない存在です。

もしベアリングが無ければ、軸と機械本体が直接接触し、

  • 摩擦の増加
  • 発熱
  • 異常摩耗
  • 電力消費の増加

などの問題が発生します。


ベアリングの役割

摩擦を低減する

ベアリング内部のボールやローラーが転がることで、軸と機械本体の摩擦を大幅に減らします。

これにより機械効率が向上し、省エネにもつながります。

荷重を支える

機械には様々な方向から力が加わります。

ベアリングは軸に加わる荷重を受け止め、安定した回転を維持します。

回転精度を向上させる

工作機械や精密機器では、わずかな軸ブレも製品精度に影響します。

ベアリングは軸の位置を正確に保持し、高精度な回転を実現します。


ベアリングの基本構造

一般的なベアリングは以下の部品で構成されています。

内輪(ないりん)

回転軸に取り付けるリングです。

外輪(がいりん)

機械本体側に固定されるリングです。

転動体

ボールやローラーが転がりながら摩擦を低減します。

保持器

転動体同士が接触しないよう間隔を保ちます。


ベアリングの主な種類

深溝玉軸受(ボールベアリング)

最も一般的なベアリングです。

用途

  • モーター
  • ポンプ
  • ファン
  • 家電製品

など幅広く使用されています。


アンギュラ玉軸受

ラジアル荷重とアキシアル荷重の両方を受けられるベアリングです。

高速回転にも対応できるため、工作機械などで使用されています。


円筒ころ軸受

ボールではなくローラーを使用したベアリングです。

大きな荷重に強く、産業機械や重機で活躍しています。


自動調心玉軸受

軸の傾きや芯ずれを吸収できる構造を持っています。

搬送設備や大型機械で多く採用されています。


ベアリングのシール形状について

ベアリングには内部グリスの保持や異物侵入防止のため、様々なシール形状があります。

使用環境に応じた選定が重要です。

開放形(オープンタイプ)

シールやシールドが付いていないタイプです。

特長

  • 回転抵抗が小さい
  • 高速回転に適している
  • 定期的な潤滑が必要

用途

  • 工作機械
  • オイル潤滑設備
  • 高速回転装置

ZZ形(金属シールドタイプ)

両側に金属製シールドを装着したタイプです。

特長

  • 粉塵侵入を軽減
  • 回転性能が良い
  • メンテナンス頻度を低減

用途

  • モーター
  • ポンプ
  • ブロワ
  • ファン

型番例

6205ZZ


2RS形(ゴムシールタイプ)

両側にゴムシールを装着したタイプです。

特長

  • 防塵性が高い
  • 防水性が高い
  • グリス漏れを防止

用途

  • コンベヤ
  • 屋外設備
  • 農業機械
  • 食品機械

型番例

6205-2RS


ベアリング型番の見方

例えば

6205ZZ

の場合

  • 6:深溝玉軸受
  • 2:シリーズ
  • 05:内径25mm
  • ZZ:両側金属シールド

を表しています。

型番を理解することで適切な交換部品の選定が可能になります。


国内の代表的なベアリングメーカー

日本には世界的に有名なベアリングメーカーが多数存在します。

NSK(日本精工)

1916年創業の日本を代表するベアリングメーカーです。

工作機械や産業機械、自動車分野で広く採用されています。


NTN株式会社

自動車向けベアリングで高いシェアを持つメーカーです。

世界中の自動車メーカーや産業機械メーカーで採用されています。


JTEKT(Koyo)

Koyoブランドで知られるベアリングメーカーです。

高い耐久性と信頼性を持ち、自動車や建設機械で活躍しています。


NACHI(不二越)

ベアリングだけでなく切削工具や産業ロボットでも有名です。

重工業向けや高負荷用途に強みがあります。


ベアリング故障の主な原因

潤滑不足

グリスや潤滑油が不足すると摩耗や焼付きが発生します。

異物混入

粉塵や切粉、水分などが侵入すると軌道面を傷付けます。

過負荷

設計荷重以上の負荷が加わると寿命が短くなります。

取付不良

圧入方法や芯出しが不適切だと異常振動や破損につながります。


故障のサイン

以下の症状が見られる場合は点検が必要です。

  • ゴロゴロ音
  • シャー音
  • 異常振動
  • 発熱
  • 回転不良

設備停止につながる前に早めの対応を行いましょう。


ベアリング選定のポイント

ベアリング選定では次の項目を確認することが重要です。

  • 荷重条件
  • 回転速度
  • 使用環境
  • 設置スペース
  • 必要精度
  • シール形状

特に粉塵や水分の多い環境では、ZZ形や2RS形などのシール付きベアリングの選定が重要になります。


まとめ

ベアリングは機械設備の回転を支える重要な部品です。

摩擦を低減し、荷重を支え、回転精度を維持する役割を持っています。また、深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受など多くの種類があり、使用環境に応じてZZ形や2RS形などのシール形状を選ぶことも重要です。

国内にはNSK、NTN、JTEKT(Koyo)、NACHIなど世界的なメーカーが存在し、様々な産業分野で活躍しています。

株式会社ナカノでは、機械工具・空圧機器・FA機器をはじめ、ベアリングや関連工具、潤滑剤など製造現場に必要な商品を取り扱っております。製品選定や設備保全でお困りの際はお気軽にご相談ください。