ノギスとは?マイクロメーターとの違いを分かりやすく解

製造業や機械加工の現場では、製品の品質を維持するために正確な寸法測定が欠かせません。その際に使用される代表的な測定工具が「ノギス」と「マイクロメーター」です。

どちらも長さや厚みを測定する工具ですが、用途や測定精度に違いがあります。しかし、これから製造業に携わる方や新人社員の方にとっては、「何が違うのか分からない」「どちらを使えばよいのか判断できない」と感じることも少なくありません。

この記事では、ノギスとマイクロメーターの特徴や違い、正しい使い方について分かりやすく解説します。

ノギスとは?

ノギスは、外径・内径・深さ・段差などを測定できる万能型の測定工具です。

製造業や設備保全、建設業など幅広い業界で使用されており、「まず寸法を測る」といった場面で最初に使用されることが多い測定器です。

ノギスの最大の特徴は、1本でさまざまな測定ができることです。

ノギスで測定できる項目

外側測定

材料や製品の外径、厚みを測定します。

  • 丸棒の直径
  • シャフト径
  • 板厚
  • ボルト径

内側測定

穴やパイプの内径を測定します。

  • ベアリング穴
  • パイプ内径
  • 溝幅

深さ測定

本体後部のデプスバーを使用して深さを測定します。

  • 穴の深さ
  • 溝の深さ
  • 凹部の深さ

段差測定

部品の段差や高さの違いを測定できます。

  • 加工面の高さ確認
  • 段付きシャフトの測定

このように1本で複数の測定ができるため、現場では非常に重宝されています。

ノギスの種類

現在主流となっているノギスには以下の種類があります。

アナログノギス

目盛りを読み取る従来型のノギスです。

電池が不要で故障しにくいというメリットがあります。

ダイヤルノギス

ダイヤル表示により数値を読み取りやすくしたタイプです。

デジタルノギス

液晶画面に数値が表示されるため、誰でも簡単に測定できます。

近年では最も普及しているタイプです。

マイクロメーターとは?

マイクロメーターは、ノギスよりも高精度な測定を行うための測定工具です。

主に外径や厚みなどを精密に測定する際に使用されます。

品質管理部門や精密加工現場では欠かせない測定器の一つです。

ノギスが「幅広く測れる工具」であるのに対し、マイクロメーターは「高精度で測るための工具」と考えると分かりやすいでしょう。

マイクロメーターで測定できるもの

  • 軸径
  • 板厚
  • ワイヤ径
  • 小型部品の寸法
  • 精密加工品

特にミクロン単位の精度が求められる場面ではマイクロメーターが活躍します。

マイクロメーターの特徴

マイクロメーターにはラチェットストップと呼ばれる機構があります。

ラチェットを回すことで一定の測定力が得られ、測定者による誤差を抑えることができます。

強く締め過ぎたり、弱く当てたりすることによる測定誤差を防げるため、安定した測定結果を得ることが可能です。

ノギスとマイクロメーターの違い

両者の違いを簡単にまとめると以下のようになります。

測定精度

ノギスの最小読取値は一般的に0.02mm〜0.05mm程度です。

一方、マイクロメーターは0.01mmが一般的で、高精度タイプでは0.001mmまで測定可能です。

そのため精密測定にはマイクロメーターが適しています。

測定できる範囲

ノギスは外径・内径・深さ・段差など幅広い測定が可能です。

マイクロメーターは主に外径や厚みの測定に特化しています。

作業効率

ノギスは素早く測定できるため、現場での寸法確認に向いています。

マイクロメーターは高精度ですが、測定に少し時間がかかります。

使用用途

ノギス

  • 一般寸法測定
  • 現場作業
  • 設備保全
  • 製品確認

マイクロメーター

  • 精密加工
  • 品質管理
  • 検査工程
  • 高精度測定

正しい測定方法

ノギスの場合

測定面を清掃し、ジョウを測定物に対してまっすぐ当てます。

強く挟み過ぎると測定物が変形する場合があるため注意が必要です。

また、測定時にノギスが傾いていると正しい寸法が得られません。

マイクロメーターの場合

測定面を清掃した後、ラチェットストップを使用して測定します。

ラチェットを数回空転させることで一定の測定力が得られます。

手で強く締め付けると測定誤差の原因になるため避けましょう。

よくある測定ミス

測定作業では以下のようなミスが発生しやすいため注意が必要です。

  • 切粉やゴミが付着したまま測定する
  • ゼロ点確認を行わない
  • 工具を傾けて測定する
  • マイクロメーターを強く締め過ぎる
  • 測定面に傷がある状態で使用する

これらは品質不良や寸法トラブルの原因となるため、日頃から正しい取り扱いを心掛けましょう。

保管とメンテナンス

測定工具は精密機器です。

使用後は柔らかい布で汚れを拭き取り、防錆油を薄く塗布して保管します。

また、高温多湿な環境はサビや精度低下の原因となるため避けましょう。

落下や衝撃も測定精度に大きく影響するため、専用ケースで保管することをおすすめします。

まとめ

ノギスとマイクロメーターは、どちらも製造業に欠かせない測定工具です。

ノギスは外径・内径・深さ・段差などを幅広く測定できる万能工具であり、現場での寸法確認に最適です。

一方、マイクロメーターは高精度な測定を得意としており、品質管理や精密加工に欠かせません。

それぞれの特徴を理解し、用途に応じて使い分けることで、測定ミスの防止と製品品質の向上につながります。

株式会社ナカノでは、機械工具や測定機器をはじめ、製造現場に必要な各種商品を取り扱っております。測定工具の選定や活用方法についてお困りの際は、お気軽にご相談ください。